仕事の進め方について


私たちの建物づくりでは、十分ご満足いただける建物をつくりあげるために、多くの時間と労力を必要とします。

最初にお会いしてから建物ができあがるまでには、1年をこえることも珍しいことではありません。

これらは、十分にご満足いただき、長く使っていただける愛される建物をつくるために、大切な時間と考えます。

完成が大変待ち遠しいことと思いますが、であがるまでの期間、これらの建物づくりを私たちとご一緒に楽しんでいただければと思います。


◯ ヒアリング

まず、どのようなご要望、イメージをお持ちなのか、予算はどのぐらいかを確認していくことから始まります。

もちろん、最初から全てのことについて、明確なイメージをお持ちいただく必要はなく、これから打合せを重ねていく中で、方向が変わったり、当初は思いもよらなかった結果になることもよくあることです。また、敷地の状況、周辺の状況などを確認し、実際にどのような提案ができるかを検討します。

リフォームの場合、もとの建物の図面がないようであれば、この段階で提案に必要な簡単な実測を行います。詳細な実測作業は、契約後に再度、させていただくことになります。

これらをもとに、イメージを共有し建物の方向性をより具体的に確認させていただくために、簡単なプランをご提示します。

ここで、私たちと一緒に建物づくりを進めるかどうかをご判断いただき、設計監理業務委託契約を結んでいただくことになります。


◯ 基本設計業務

ヒアリングで確認させていただいた方向性を、打合せを重ねることにより、より具体的な建物の内容を確認し固めていく作業になります。

当初のプランをもとに模型やスケッチで確認を行い、これまで気づかなかった内容もふまえ、幾度かの修正を加え、さらに、構造、設備、仕上などの内容もご要望と予算面と合わせて確認しながら、建物の大まかな骨格を決めていきます。この先で大きな後戻りがないように、十分に検討していただくことになります。


◯ 実施設計業務

この段階では、打合せを通して建物の詳細を確認し、図面に反映させていく作業になります。

屋根、外壁、建具、内部の床、壁、天井などの仕上をどんな材料、色にするか、それぞれのスペースの細かな寸法は適正か、設備機器は何を使うか、作り付ける収納や家具のデザインなど、カタログやサンプルでの確認や、ショールームで実物を見ることで、内容を決定していきます。並行して、工事に必要な詳細図の作成や、建築確認申請に必要な図面を作成していくことになります。

この業務が完了するまでに、通常、半年程度かかるケースが多いです。


◯ 建築確認申請業務、見積依頼、施工者決定

全ての図面を作成し設計業務が完了すると、その図面をもとに、建設会社に見積依頼、同時に建築確認申請を行います。

住宅程度の木造の建物であれば、約1ヶ月ほどお時間をいただくことになります。

見積が提出されると、その内容の精査を行い、金額がご予算を超えている場合は、お打合せの上、設計内容の見直し、修正を行い、建設会社と工事契約をかわしていただくことになります。


◯ 工事監理業務

工事着工から建物完成までの間、監理者として現場の工事の状況を確認し、必要な検査を行います。工事施工者の管理だけでなく、第三者である設計者が工事監理を行うことは、建物の品質を確保する上で、大変重要なことです。建築家による建物づくりが建設会社やハウスメーカーによる設計施工と違うのは、この工事監理業務を通して、工事の利害から独立した立場で客観的に判断し、適正な品質を確保できるところです。

工事期間は建物によりますが5ヶ月以上かかることが多く、その間は、図面通りに建物ができているかを確認するため、必ず定期的に現場にうかがい、必要な工程で検査を行ったり、現場の工事担当者と打合せを行い確認をする作業を行います。最終的に、建設会社の検査、監理者の検査、確認機関の検査、お施主様の検査を経て、建物の引渡しが行われるまで、立ち会うことになります。


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